性感染症は放置して治るのか 自然治癒するもの・治らないものと放置期間で長くなる治療

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監修者

松岡雄治 医師の顔写真

松岡 雄治/済生会横浜市東部病院 麻酔科

総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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Weblioケア編集部が作成した本記事は、記載内容の医学的な正確性について医師の確認を受けています。監修の対象は医学的な記述であり、クリニックの料金・診療内容など編集部が公式サイトで確認した情報は監修の対象外です。本記事は特定の治療や医療機関を推奨するものではありません。診断・治療の判断は必ず医師にご相談ください。

陰部の違和感が数日で消えたり、できものがいつの間にかなくなったりすると、「このまま様子を見れば治るのではないか」と期待してしまう人は少なくありません。

結論からお伝えすると、「症状自体は勝手に消えるものの、病原体は体内に残り続けるもの」や「放置するほど進行してしまうもの」が大半です。ごく一部に自然治癒する例外もありますが、「症状が消えた=治った」と自己判断することは危険です。

Weblioケア編集部では、厚生労働省、国立健康危機管理研究機構、日本性感染症学会の資料をもとに、性感染症(性病)※を放置したときに起きることを4つのタイプに分けて整理しました。放置した期間によって治療がどう変わるかも説明します。

※一般的に『性病』と呼ばれることもありますが、医療現場や公的機関では『性感染症(STI)』と呼びます。本記事では性感染症と表記して解説します。

目次

性感染症は放置して自然治癒するか 4つに分けると答えが違う

「性感染症は放置すれば自然に治るのか」という疑問に対する答えは、「感染した病気の種類によって大きく異なる」です。厚生労働省や学会の資料をもとに分類すると、放置したときの経過は次の4つのタイプに分けられます。

タイプ 主な性感染症 放置するとどうなるか
1. 自然に治ることがある 性器伝染性軟属腫、症状のないカンジダ 時間はかかるが消えることがある。治療がいらない場合もある
2. 症状は勝手に治るが病原体が残る 性器ヘルペス、梅毒 見た目は治ったように見えるが、再発したり体の中で進んだりする
3. 症状が出ないまま進む クラミジア、HIV 気付かないまま長く感染が続き、あとから大きな問題が出る
4. 体の奥へ広がる 淋菌、クラミジア 尿道や子宮の入り口から、睾丸・卵管・お腹の中へ炎症が広がる

「自然に治った」と感じていても、多くの場合はタイプ2か3です。それぞれ詳しく見ていきます。

自然に治ることがある性感染症 伝染性軟属腫と症状のないカンジダ

ガイドラインで「もともとは自然治癒する病気」とされているのが、性器伝染性軟属腫(いわゆるミズイボ)です。中心がへこんだ光沢のある小さなドーム状のできもので、陰部や太ももの内側などにできます。

ただし、自然に治るまでに数か月から数年かかり、そのあいだにほかの人にうつすため、ガイドラインでは何らかの治療が必要とされています。また、HIVに感染するなどして免疫不全に陥っている場合などは、自然治癒は難しいため、積極的治療が強く推奨されます。

カンジダも、腟にカンジダを持っているだけで症状がなければ、カンジダ症とは診断されず治療の必要はないとされています。ガイドラインによると、妊娠していない女性の約15%が腟にカンジダを持っています。かゆみやおりものの増加などの症状がある場合は治療の対象になります。

「自然に治る性感染症がある」というのは本当ですが、ここに当てはまるのは限られた病気です。

症状は勝手に治るが病原体が残る性感染症 ヘルペスと梅毒

性器ヘルペスは、治療をしなくても2〜3週間で症状が治ります。しかしガイドラインでは、ウイルスは神経を伝わって腰のあたりの神経節に潜み、何かのきっかけで再び活動して症状を繰り返すとされています。性器ヘルペスの患者の6〜7割は再発した人で、再発の頻度は月に2〜3回の人から年に1〜2回の人までさまざまです。

梅毒も、最初にできるしこりやただれは2〜3週間で自然に消えます。しかし厚生労働省は、これは治ったのではなく、その後、全身に病気が広がっていくと説明しています。

この2つは「勝手に治った」と思いやすい性感染症の代表です。

無症状のまま放置されて進む性感染症 クラミジアとHIV

クラミジアは、厚生労働省によると男性の半数、女性の7〜8割が、症状に気付かないまま感染しています。ガイドラインでは、尿道の感染は症状が軽いため受診の機会がなく、長く感染が続いて感染源になる場合が多いとされています。

HIVも、感染から1〜6週間後に風邪に似た症状が出ることがありますが、その症状は消え、その後は数年から十数年、症状のない期間が続きます。

無症状のまま放置されることは、「治った」とすら思わないまま進むということです。

放置すると体の奥へ広がる性感染症 淋菌とクラミジア

淋菌とクラミジアは、最初は男性なら尿道、女性なら子宮の入り口に感染します。放置すると、菌が管の中を奥へ進み、男性では精巣上体炎、女性では卵管炎や骨盤内炎症性疾患を起こすことがあります。何が起きるかは、次の章で時間の流れに沿って説明します。

なお、どのタイプでも共通しているのは、放置しているあいだもパートナーにうつすということです。厚生労働省は、症状が出ても感染力があるまま症状が消えることがあると説明しています。ガイドラインでは、淋菌は1回の性行為でうつる確率が30%程度と高いと考えられています。

性感染症を放置するとどうなるか 放置期間ごとに起きること

「どのくらい放置すると危ないのか」は、性感染症によって違います。資料に書かれている経過を、時間の流れに並べると次のようになります。

放置した期間 起きること
数日〜3週間 淋菌・ヘルペス・クラミジア・梅毒の最初の症状が出る。または症状が出ない
1〜2か月ごろ 梅毒のしこりが消える。HIVの風邪に似た症状が出て消える
約3か月〜3年 梅毒の発疹が手のひら・足の裏・体に出たり消えたりする
症状のないあいだずっと クラミジア・淋菌が奥へ広がることがある。パートナーにうつす
数年〜十数年 HIVで症状のない時期のあとに免疫が壊れた状態(エイズ)になる
数年〜数十年 梅毒で心臓、血管、脳などに病変が出ることがある

出典:厚生労働省「性感染症」「梅毒」「オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A」、日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン2016」

表の中で、見落とされやすいのは4行目です。クラミジアや淋菌が奥へ広がる時期には決まった目安がなく、症状がないあいだにも進みうるからです。

クラミジア・淋菌の放置で起きる男性の無精子症、女性の不妊と子宮外妊娠

男性の淋菌を放置すると、尿道の菌が奥へ進んで精巣上体炎を起こします。ガイドラインでは、治療されないと両側に広がり、治療後に無精子症になる場合があるとされています。クラミジアも精巣上体炎の原因になり、中年以下の精巣上体炎の多くはクラミジアによるものとされています。

女性では、クラミジアや淋菌が子宮から卵管、お腹の中へと広がり、骨盤内炎症性疾患を起こします。ガイドラインによると、クラミジアは症状がないまま卵管を傷つけたり、卵管のまわりに癒着を作ったりして、卵管妊娠(子宮外妊娠)や不妊の原因になります。淋菌も放置すると同じように子宮外妊娠や不妊の原因になるとされています。

厚生労働省のQ&Aでは、女性の淋菌は自覚症状がないまま腹膜炎として発症し強い下腹部痛を起こすことがあり、腹膜炎になると入院治療が必要になる場合があるとされています。

梅毒の放置で起きる全身の発疹と数年〜数十年後の心臓や脳の病変

梅毒は、最初のしこりが消えたあと、感染から約3か月後に手のひらや足の裏、体に発疹が出ます。ガイドラインでは、この時期の発疹は3か月から3年にわたって出たり消えたりを繰り返し、その後、自然に消えて症状のない状態になると説明されています。

厚生労働省は、症状が消えても放置していると、数年から数十年のあいだに心臓や血管、脳など複数の臓器に病変が生じ、ときには死に至ることもあると説明しています。

ただしガイドラインでは、こうした進行した段階の梅毒は、現在の日本ではほとんど見られなくなったとされています。一方で、神経に梅毒が入り込むことは早い時期から起こりえて、早期梅毒の患者の約40%で、神経の症状はなくても髄液に異常が見られると書かれています。

HIVの放置で症状のないあいだも進む免疫の低下

HIVに感染した場合、初期には発熱やのどの痛みといった「急性期症状」が現れることがあります(全員に症状が出るわけではありません)。その後、症状のない期間が数年から十数年続きます。しかしガイドラインでは、この期間は単に症状がないだけではなく、毎日大量のウイルスが作られて免疫の細胞が壊され続けている時期だとされています。免疫が壊れきると、ふだんはかからないような感染症やがんを発症するエイズの状態になります。

妊娠中の性感染症の放置で起きる赤ちゃんへの感染

妊娠中に性感染症を放置した場合、母体だけでなく胎児や新生児にも深刻な影響を及ぼすおそれがあります。

  • 梅毒:厚生労働省は、胎盤を通じて胎児にも感染し、死産や早産、生まれてくる子どもの神経や骨などの異常を起こすことがあるとしています。妊娠中でも早く治療すれば、胎児への感染のリスクを下げられます
  • クラミジア:ガイドラインでは、流産や早産の原因になり、出産時に赤ちゃんに感染して結膜炎や肺炎を起こすことがあるとされています
  • 性器ヘルペス:出産時に発症していると赤ちゃんに感染することがあり、新生児ヘルペスは20〜30%が亡くなる予後の悪い病気とされています

感染症を放置した期間は、病状を進行させるだけでなく、治療そのものの複雑さや期間にも大きな影響を与えます。

放置期間が長いほど性感染症の治療は長くなる

「どうせ治療するなら、今でもあとでも同じ」と考える人もいるかもしれません。しかし性感染症によっては、放置した期間で治療の内容が変わります。

梅毒は感染から1年以内なら注射1回、1年以上たつと週1回を3回

国立健康危機管理研究機構のIASR(病原微生物検出情報)によると、日本で梅毒の治療の第一選択になっているのは、注射薬と飲み薬の2種類です。

このうち注射薬は、早期梅毒なら1回で済みますが、後期梅毒では週に1回ずつ計3回の注射が必要になります。後期梅毒とは、感染から1年以上たっている場合や、いつ感染したかわからない場合を指します。

つまり、心当たりから1年以内に検査を受けていれば1回で終わった治療が、放置して1年を超えると3週間がかりになります。いつ感染したかわからないと、それだけで後期梅毒として扱われます。

飲み薬の場合は28日間飲み続けます。どちらの治療でも、治ったかどうかは治療後の血液検査で確認します。

クラミジア・淋菌も奥へ広がると長期の治療や入院が必要になる

厚生労働省のQ&Aでは、淋菌は注射を1回打つだけで尿道炎や子宮頸管炎が治る場合が多い一方、腹膜炎になると入院治療が必要になる場合があるとされています。クラミジアも、奥まで広がっていなければ飲み薬で治せますが、精巣上体炎や腹膜炎になると、かなり長い期間の投薬が必要になるとされています。

尿道や子宮の入り口にとどまっているうちなら短期間で終わる治療が、奥へ広がると長く重くなる。これが、放置期間で治療が長くなるということです。

では、ほかの病気で抗生物質を飲んだことがある場合、性感染症も一緒に治っている可能性はあるのでしょうか。

ほかの病気で飲んだ抗生物質で性感染症は治るか

「風邪や歯の治療で抗生物質をもらったから、性感染症も勝手に治ったのでは」と考える人がいます。答えは性感染症によって違い、治ることもありますが、当てにはできません。

クラミジアにはペニシリン系・セフェム系の抗生物質が効かない

ガイドラインでは、クラミジアの治療に使うのは特定の系統の抗菌薬に限られ、ペニシリン系やセフェム系などは、クラミジアが消える割合が低いため治療薬にならないとされています。ペニシリン系やセフェム系は、風邪やけがなどでよく処方される抗生物質です。

ほかの病気で抗生物質を飲んだとしても、それがクラミジアに効く種類だったかどうかはわかりません。

淋菌はよく使われる抗生物質の多くが効かなくなっている

淋菌は、抗菌薬が効かなくなる「耐性」が進んでいる性感染症です。ガイドライン(2016年版)の時点で、ニューキノロン系とテトラサイクリン系の抗菌薬に耐性を持つ淋菌が70〜80%を超え、飲み薬のセフェム系にも30〜50%程度が耐性を持っているとされていました。そのため、淋菌を飲み薬だけで治療することは勧められておらず、セフトリアキソンの点滴が標準治療となっています。

ほかの病気で飲んだ抗生物質で、淋菌が治っていることを期待するのは難しいということです。

梅毒は偶然治っていることもあるが、治ったかは検査でしかわからない

梅毒は少し事情が違います。ガイドラインでは、梅毒の菌はほとんどの抗菌薬が効くため、ほかの病気で抗菌薬が頻繁に使われる環境では、梅毒と気付かれないまま症状がなくなったり治ったりしている場合が多いとされています。

ただし、「治った」のか「症状が消えただけ」なのかは、自分では区別できません。IASRでは、梅毒にはマクロライド系の抗菌薬が効かない菌が広がっているとも指摘されています。梅毒が治ったかどうかは、血液検査で抗体の値を追いかけて判断するもので、IASRでは可能な限り1年程度の経過観察が望ましいとされています。

治る性感染症と一生治らない性感染症

放置せずに治療を行った場合、すべての性感染症が完全に治るわけではなく、疾患によってその経過は異なります。

抗生物質で治る性感染症は梅毒・淋菌・クラミジア・トリコモナス

梅毒、淋菌、クラミジア、腟トリコモナス症は、病原体に合った薬で治療すれば治る性感染症です。

ただし同時に、早い段階で治療しなければ合併症や後遺障害が残る可能性があるものもあります。ただし、治療によって病原体自体が消失しても、放置していた期間に受けた組織のダメージ(卵管の癒着や精巣の損傷など)や合併症、後遺障害が必ずしも元の状態に戻るとは限りません。そのため、早期の発見と治療が重要です。

一生治らない性感染症はHIVとヘルペス 治療で抑えることはできる

HIVは、今の治療ではウイルスを体から完全になくすことはできず、ガイドラインでは生涯にわたって薬を飲み続ける必要があるとされています。一方で、複数の薬を組み合わせる治療でほぼすべての人が治療に成功し、一般の人とほぼ同じ寿命が期待できるまでになっています。ガイドラインは、早期発見・早期治療によって心配のいらない病気になっているとも書いています。

性器ヘルペスは、今ある抗ウイルス薬で症状を早く治すことはできますが、神経に潜んでいるウイルスを取り除くことはできません。そのため再発を防ぎきることはできませんが、ガイドラインでは、再発を繰り返す人には薬を飲み続けて再発を抑える治療もあり、60〜70%の人で再発を抑えられるとされています。

尖圭コンジローマも、外科的治療を行った場合で約25%、外用薬による治療を行った場合で約10%の確率で3か月以内に再発するとされており、最低3か月は経過を見る必要があるとされています。

治らない・治りにくいと言われるマイコプラズマと喉の感染

「マイコプラズマ 性感染症 治らない」と検索する人もいます。尿道炎の原因になるマイコプラズマ・ジェニタリウムについて、ガイドラインでは、クラミジアに効く抗菌薬では菌が消えない例が増えていて、症状が続いたり再発したりすることが多いとされています。治らないのではなく、効く薬が限られてきています。

また、喉に感染した淋菌やクラミジアは、性器に感染したものより治りにくいとされています。性器の治療が終わっても、喉に菌が残っていることがあります。

性感染症は何日で治るか 治るまでの期間と治ったかの確かめ方

性感染症が完治するまでの期間は、病気の種類や選択する治療法によって異なります。それぞれの目安と確認方法は以下の通りです。

性感染症ごとの治るまでの期間の目安

性感染症 治療の形 治ったかの確認
淋菌 注射1回で治る場合が多い(尿道炎・子宮頸管炎) 推奨される注射薬以外で治療した場合は、検査で淋菌がいないことを確かめる
クラミジア 飲み薬(奥へ広がると長期の投薬) 治療後2〜3週間で再検査
梅毒 早期は注射1回、後期は週1回計3回。飲み薬なら28日間 血液検査で抗体の値を追う(1年程度)
性器ヘルペス 抗ウイルス薬で症状は1〜2週間で治る ウイルスは残るため再発に注意
HIV 生涯にわたって薬を飲み続ける 血液中のウイルス量を検出できないまで抑える

出典:厚生労働省「オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A」、国立健康危機管理研究機構IASR「梅毒治療の現状について」、日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン2016」

性感染症の症状が消えても治療後に再検査する

治療で症状が消えても、それだけで治ったとは判断できません。

クラミジアは薬をきちんと飲まないために治りきっていない可能性も少なくないため、治療後2〜3週間目に病原体の検査をして治ったことを確認することが推奨されます。淋菌感染症の場合、ガイドラインで推奨されている第一選択の注射薬を用いて治療を行った場合は、基本的に治癒率が高いため治療後の再検査は必須とされていません。

しかし、その他の治療法を選択した場合や症状が持続する場合には注意が必要です。排尿時の痛みなどの自覚症状が消えても、体内に菌が残っているケースがあるため、必ず医療機関で検査を行い、菌が消失していることを確認してはじめて治癒と判断します。

梅毒は、前の章で説明したとおり、治療後に血液検査で抗体の値から治療成果を判断します。

性感染症はパートナーも治療しないと再び感染する

ご自身が治療を完了しても、パートナーが感染したままであれば、再び感染(ピンポン感染)を繰り返してしまいます。

厚生労働省や学会のガイドラインでも、性感染症の治療においてパートナーの同時受診と同時治療は不可欠であるとされています。ご自身の健康を守り、完全に感染連鎖を断ち切るためにも、必ずパートナーと一緒に医療機関を受診してください。

放置していた性感染症でも今から検査を受ける理由

感染の可能性に気づきながら時間が経過してしまった場合であっても、医療機関で検査・治療を受けることには明確な医学的意義があります。

  • 病状の進行防止:クラミジアや淋菌などが体の奥へ波及するのを防ぎ、不可逆的な組織の損傷(不妊や精巣上体炎など)を回避できる可能性があります。
  • 治療負担の軽減:例えば梅毒であれば、感染から1年を経過する前に発見・治療できれば、投与回数を少なく抑えることができます。
  • 免疫機能の維持:HIVにおいても、早期に発見して抗レトロウイルス療法を開始することで、免疫細胞の破壊を防ぎ、エイズの発症を回避・遅延させることができます。
  • 感染拡大の阻止:診断と治療により、パートナーや周囲へのさらなる感染連鎖を断ち切ることができます。

経過した時間を巻き戻すことはできませんが、適切な医療介入によって予後や重症度を大きく変えることは可能です。感染の機会や疑いがある場合は、放置せず速やかに医療機関を受診してください。

性感染症の検査は何科に行けばいいか 保健所の匿名検査

厚生労働省によると、性感染症は一般的に、男性では泌尿器科または皮膚科、女性では産婦人科で診察されているとされ、あらかじめ電話をしてから受診することが勧められています。

また、保健所では匿名・無料で梅毒などの性感染症の検査を受けられることがあり、夜間・休日の検査を行っているところもあります。検査できる項目は保健所によって違うので、事前に確認してください。

性感染症の放置と自然治癒について参照した公的資料

この記事は、次の資料の記載にもとづいて作成しています。特定のクリニックが公開している情報は使用していません。

性感染症が治ったかどうかは、症状の有無では判断できません。感染の心当たりがある場合は、自己判断で様子を見ず、医療機関で検査を受けてください。

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