おりものが黄色・黄緑・茶色は病気?色より「におい」と「かゆみ」で見分ける理由

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下着についたおりものが、いつもより黄色い。黄緑っぽい気がする。茶色いものが混ざっている。においが強くなった。人に見せて相談しにくいからこそ、色の名前で調べて答えを探す人がとても多い悩みです。

ところが、日本性感染症学会の「性感染症 診断・治療 ガイドライン2016」を読むと、色だけで原因を決めるのは難しいことがわかります。黄緑色で泡状の「典型的な」おりものが出るのは、トリコモナスで症状がある人の半数程度だけ。細菌性腟症は約半数が無症状で、クラミジアはほとんど所見がないことが多いとされています。代わりに手がかりになるのが、「におい」と「かゆみ」です。

この記事では、正常なおりものの特徴、学会ガイドラインの比較表でわかる見分け方、黄色・黄緑・茶色・白いおりもの、生臭いにおいの原因、市販薬を使っていい人・いけない人、何科に行けばよいかまでを解説します。

目次

正常なおりものは、周期で色も量も変わる

おりものは、腟や子宮の入り口から出る分泌物で、腟の中を清潔に保ち、細菌が入るのを防ぐ役割があります。まずは、どこまでが正常なのかを知っておきましょう。

淡い黄色は正常の範囲

MSDマニュアルによると、正常なおりものは透明、白色、または淡い黄色で、通常は少量です。「黄色い=病気」ではありません。下着についたおりものが乾くと、黄色っぽく見えることもあります。気にするべきなのは、色がいつもと違ううえに、においやかゆみ、量の変化が一緒にあるときです。

おりものが多くなる時期

おりものの量や状態は、生理の周期に合わせて変わります。排卵の前後は卵の白身のように透明でよく伸びるおりものが増え、生理前には少し白っぽく粘り気が出ることもあります。妊娠中も増えることがあります。こうした周期に沿った変化で、においやかゆみがなければ、心配しすぎる必要はありません。では、どんなときに病気を疑えばよいのでしょうか。

色×におい×かゆみで見分ける 学会ガイドラインの比較表

ガイドラインの「帯下(おりもの)」の章には、腟の感染症で代表的な3つを比べた表が載っています。

カンジダ・トリコモナス・細菌性腟症の違い

カンジダトリコモナス細菌性腟症
主な症状強いかゆみ、おりものおりものが多い、ときに強い悪臭、かゆみおりものが増える
おりものチーズ状・粥状、量は少ない淡い膿のよう、ときに泡状、量が多い灰色、量はふつう
生臭いにおい(アミン臭)なししばしばありあり
腟の中の酸性度(pH)4.5未満5.0以上5.0以上
性行為による感染多くないありあり

※日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン2016」帯下の章(表1)より。

表を見ると、強いかゆみがあって生臭さがなければカンジダ、生臭さがあればトリコモナスか細菌性腟症という分かれ方が見えてきます。色の欄よりも、においとかゆみの欄のほうが、はっきり違うのです。ただし細菌性腟症については、ガイドラインの本章で、性感染症とは決めつけられず、パートナーの治療は勧められないとされています。

「黄緑で泡状」はトリコモナスでも半数程度

「黄緑のおりもの=トリコモナス」と覚えている人は多いと思います。しかしガイドラインでは、泡状で悪臭の強い黄緑色のおりものは重要な特徴としつつも、そうした症状が見られるのは、症状のある女性の半数程度だとしています。さらに、女性のトリコモナスの20〜50%は症状のない感染だといわれています。

つまり、黄緑色でなくてもトリコモナスのことがあり、黄緑色でも別の原因のことがあります。色だけで「トリコモナスだ」「違う」と決めないことが大切です。

おりものが変わらない性感染症もある

さらに注意したいのが、おりものにほとんど変化が出ない感染です。ガイドラインは、クラミジアや淋菌による子宮の入り口の炎症について、近年は症状のない感染が増えていて、クラミジアではほとんど所見のないものが多いとしています。細菌性腟症も約半数は無症状です。

クラミジアは、症状がないまま卵管に炎症が広がり、子宮外妊娠や不妊の原因になることがあります。おりものがいつもどおりでも、性行為で心当たりがあるなら検査を受ける、というのがガイドラインから読み取れる答えです。

黄色・黄緑のおりもの

においもかゆみもなく、量もいつもと変わらない淡い黄色なら、すぐに心配する必要はないことが多いでしょう。一方、生理前や排卵期とは関係なく、濃い黄色や黄緑が何日も続く、量が明らかに増えている、生臭いにおいがする、という場合は感染症を疑います。

「ストレスで黄緑になったのでは」と考える人もいますが、ストレスそのものがおりものの色を直接変えるわけではありません。黄緑色が続くなら、「ストレスのせい」で片づけずに検査を受けてください。

トリコモナスについて、ガイドラインは性行為のほかに、下着やタオル、便器や浴槽などからの感染も知られていて、性行為の経験がない女性にも見られると書いています。中高年でもよく見られ、男性は症状が出ないことが多いため、パートナーと同時期に同じ期間治療することが必要です。飲み薬の治療で90〜95%は消えるとされています。

茶色のおりもの

おりものが茶色くなるのは、多くの場合、少量の血が混ざって時間がたち、茶色に変わったものです。生理が始まる直前や終わりかけ、排卵期の少量の出血が茶色いおりものとして出るのはよくあることで、数日でおさまり、においやかゆみ、痛みがなければ多くは心配いりません。

生理が予定より遅れていて茶色いおりものが出た場合は、まず妊娠の可能性を考え、生理予定日の約1週間後をめどに妊娠検査薬で確かめましょう。検査薬の使い方は生理が来ないときと妊娠検査薬の記事で解説しています。

一方、生理と関係なく何週間も続く、性行為のたびに出血する、という場合は、子宮の入り口のただれやポリープなどが原因のこともあります。閉経したあとの出血は、少量でも婦人科を受診してください。

白くポロポロしてかゆい:カンジダ

強いかゆみと、ヨーグルトや酒かすのような白いおりもの。これがカンジダの典型的な症状です。ただし、ガイドラインは、こうした症状はほかの外陰や腟の病気でも見られることがあり、カンジダだけの特徴ではないとも書いています。

持っているだけでは治療不要、保菌率は約15%

カンジダはカビ(真菌)の一種で、もともと体にいる菌です。ガイドラインによると、腟の中にカンジダを持っている人は、妊娠していない人で約15%、妊婦で約30%。そして、ただ持っているだけではカンジダ症とは診断されず、治療の必要もありません。治療が必要になるのは、妊娠していない保菌者のうち約35%です。

発症には抗菌薬の服用などのきっかけがあることが多く、性行為が主な原因になることは多くありません。検査でカンジダが見つかったと聞いて驚くかもしれませんが、かゆみやおりものの変化がなければ、それだけで治療が必要なわけではないのです。

市販薬を使えるのは「診断を受けたことがある再発」だけ

ドラッグストアでは腟カンジダの市販薬も買えますが、フェミニーナ腟カンジダ錠の説明書を見ると、使える人はかなり限られています。

使用しないこととされている人(抜粋)
以前に医師から腟カンジダの診断・治療を受けたことがない人
再発までの期間が2か月以内の人、または直近6か月以内に2回以上かかった人
おりものがおかゆ状・白く濁った酒かす状ではない人、いやなにおいがある人(ほかの病気の可能性がある)
発熱・下腹部の痛み・血の混じったおりものなどがある人
糖尿病と診断された人、妊婦または妊娠していると思われる人
15歳未満または60歳以上の人

※フェミニーナ腟カンジダ錠(第1類医薬品)の説明書より。

ここでも、「いやなにおいがあるなら、カンジダ以外の可能性がある」とされている点に注目してください。ガイドラインの比較表と同じく、においがカンジダとほかの病気を分ける手がかりになっています。使う場合は6日間続け、3日使っても改善しない、または6日使っても症状が消えない場合は受診するよう書かれています。生理中は使えません。

生臭い・イカ臭いにおい:細菌性腟症、洗いすぎに注意

においが気になるとき、まず考えたいのが細菌性腟症です。腟の中を守っている乳酸菌が減り、ほかの細菌が増えることで起こり、ガイドラインによると、おりものは灰色でサラサラしていて、ときに悪臭を訴えます。約半数は無症状です。妊娠中の細菌性腟症は流産や早産と関連するとされているので、妊娠中に気になる症状があれば早めに相談してください。

においが気になると、腟の中まで洗いたくなるかもしれません。しかし、腟の中を洗うと体を守っている常在菌まで流してしまいます。フェミニーナ腟カンジダ錠の説明書でも、自分で腟内を洗うことは避け、外陰部は石けんを使わずお湯で軽く洗う程度にするよう書かれています。においが続く場合は、洗って消そうとせず、婦人科で相談しましょう。細菌性腟症は抗菌薬で治療できます。

何科に行くか、オンラインで相談できる範囲

おりものの変化は、自分で色を見比べるだけでは原因を決めきれません。次のような場合は婦人科を受診しましょう。

  • いつもと違う色のおりものが、においやかゆみを伴って続いている
  • 生臭いにおいがする、黄緑色で泡っぽいおりものが出る
  • 茶色いおりものや出血が生理と関係なく続く、閉経後に出血した
  • 性行為のあとから症状が出た、パートナーに性感染症が見つかった
  • 市販のカンジダ薬の条件に当てはまらない

婦人科では、おりものを少しとって顕微鏡で調べたり、腟の中の酸性度を測ったり、性感染症の検査をしたりして、原因をはっきりさせることができます。

おりもの以外に、不正出血や下腹部の痛み、熱などがある場合は、女性の性感染症の症状を痛みと日数で見分ける記事もあわせて確認してください。

どこを受診すればよいか迷う場合は、オンライン診療で医師に相談する方法もあります。一例として、DMMオンラインクリニックでは診察料なしで相談でき、オンラインで治療できるのはクラミジア・性器ヘルペス・トリコモナス・ウレアプラズマ・カンジダです。淋菌や梅毒は対面の医療機関で治療を受けることになり、検査結果がない場合は適切な治療ができないこともあります。茶色いおりものが続く場合や閉経後の出血など、子宮の検査が必要なときは、内診や超音波検査ができる婦人科を選んでください。

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