渋谷の不眠症クリニック5院は説明の力点が違う ホルモンから書く院とCBT-Iを立てる院

※この記事は広告を含みます。掲載している料金は各院の公式サイトで確認したものです。

渋谷で不眠症を相談できる医療機関を5院、公式サイトで1件ずつ確認しました。診療時間も立地も似ていて、初診の取りやすさにも大きな差はありません。渋谷では、どこも比較的すぐに診てもらえます。

差がついていたのは別のところでした。公式サイトに書かれている不眠症の説明が、院ごとにまったく違います。睡眠のホルモンの働きから解説する院、認知行動療法(CBT-I)を治療法として項目立てしている院、「不眠を怖がり過ぎないことも必要」と書く院。同じ疾患を扱いながら、力点が違います。

初診が取りやすいということは、選ぶ余地があるということでもあります。この記事では、その説明の違いから5院を整理します。掲載数を増やすことは目的にしていません。1院ずつ確認した内容だけを書いています。

目次

渋谷5院は不眠症をどう説明しているかが違う

渋谷メンタルクリニックはメラトニンとセロトニンの関係から書いている

5院で最も生理学的な説明です。睡眠を促すホルモンであるメラトニンは暗くなると分泌が増え、メラトニンとセロトニンは拮抗関係にあり、セロトニンは太陽の光を浴びることで増える。日中のセロトニン分泌量が多いと夜間のメラトニン量も増え、より睡眠効果が得られやすくなる。うつ病ではセロトニンの量が少ないため、結果として十分な睡眠がとれない悪循環になる、という記述です。

入浴・足浴についても深部体温が上昇することでセロトニンが分泌され、2時間程で体温の低下とともにメラトニンが分泌されて催眠効果が得られると、時間まで示しています。就寝時刻から逆算して入浴のタイミングを決められる説明です。

環境づくりの提案も具体的で、間接照明で暖色系を取り入れる、遮光カーテンをつける、寝具や香りを見直すといった内容です。「内服薬のみで不眠を解消することは難しく、生活のリズムを整えることが基本になってきます」という結びも明快です。

また同院は国立精神・神経医療研究センターの研究として、1日4時間半ほどの睡眠が5日続くと、うつ病や統合失調症の患者と似た脳機能の変化が見られ、不安・混乱・抑うつ傾向が強まるという研究結果に言及しています。

青山渋谷メディカルクリニックは「不眠を怖がり過ぎない」と書いている

睡眠障害を「眠れなくなるもの」「眠りすぎてしまうもの」「睡眠のリズムが狂ってしまうもの」の3つに分けて解説しています。過眠とリズム障害を不眠と同列に置く分類です。

治療についての記述に、他院にないものがあります。シンプルな不眠症としては不眠そのものに対する恐怖があるとして、「眠れなかったらどうしよう」「早く眠らないと明日が早いのに」という考えを挙げ、不眠を怖がり過ぎないことも必要としています。そのうえで症状が強い場合は受診して薬をもらいましょう、持っているだけで安心して眠れる人もいますと書いています。

睡眠のリズムが狂うものについては、睡眠相後退症候群を例に挙げ、メラトニンまたはラメルテオンの服用で治療すると成分名を明記しています。

診療方針としてShared Decision Making(医師の専門的知識に基づきつつ患者の意思や意向を考慮して治療方針を決定する)を掲げ、慶應義塾大学精神神経科学教室からの医師団によるチーム診療と、慶応病院との診療・検査の連携を明記しています。産業医とストレスチェックの部門も持っています。

渋谷ウェルネストクリニックは身体の側から診る体制を敷いている

心療内科でありながら、総合内科専門医・循環器専門医、産婦人科専門医も在籍し、それらの医師と協力しながら心身両方の症状に対してチーム診療を行うとしています。不眠の背景に身体的な問題が疑われる場合、この体制は選択肢になります。

医療連携病院として東京大学医学部附属病院、東京医科大学病院、虎の門病院、日本赤十字社医療センター、JR東京総合病院、都立広尾病院、東邦大学医療センター大橋病院を挙げています。

なお公式サイトには臨床心理士によるカウンセリングを一時的に休止している旨の記載があります(2026年9月2日時点)。カウンセリングを希望する場合は事前に確認が必要です。

薬を使う院と認知行動療法を立てる院

不眠症の治療は、薬物療法と非薬物療法の組み合わせで進みます。どちらに重心を置くかは院によって違い、渋谷ではその差が公式サイトの構成に表れていました。

渋谷こころのクリニックはCBT-Iを3本柱のひとつに立てている

不眠症の定義に期間を明示している点がまず特徴的です。眠りに関する問題が3か月以上続き、日中の生活に支障をきたす状態としています。

治療法は生活習慣の改善、薬物療法、そして認知行動療法(CBT-I)の3本立て。CBT-Iについては「薬物を使用せずに睡眠の質を改善する方法」「睡眠に対する誤った認知や不適切な行動を修正することで睡眠の質を向上させる」と説明しています。

薬物療法についても否定的ではなく、近年は依存性や常用性の少ない睡眠薬が新しく開発され、選択肢が大きく広がっていると記載しています。

渋谷駅前メンタルクリニックは薬・心理療法・代替療法を並べている

治療方針は薬だけに頼らないチーム医療として、複数の精神科専門医、臨床心理士・公認心理師による認知行動療法をはじめとする心理療法・カウンセリング、漢方医療や栄養療法などの代替療法を挙げています。複数の女性医師が在籍し、料金表のページも公開しています。

睡眠障害と睡眠時無呼吸症候群(SAS)を別ページで扱っており、両方を診療対象としている点も5院では同院だけです。

ただし18歳未満への診療は基本的に行っていません。やむを得ない場合は、患者本人がWEB予約するのは控え、保護者から電話するよう求めています。

渋谷5院の診療時間と初診の取りやすさ

2026年9月2日時点で、各院の公式サイトに記載されている内容です。

医療機関 最寄り 診療時間 休診日 初診の条件
渋谷駅前メンタルクリニック 渋谷駅 徒歩3分
スクランブル交差点から
10:00〜14:00
15:00〜20:00(月・木)
15:00〜19:00(火・水・金)
15:00〜18:00(土日)
平日の祝日のみ
土日祝も診療
当日初診予約可
24時間WEB・LINE予約
初診の最終受付19:40
18歳未満は基本的に不可
渋谷ウェルネストクリニック
心療内科
渋谷駅0分
ハチ公向かい
担当医により異なる
月木金9:30〜19:00
火9:30〜19:00
水11:00〜18:00
土日10:00〜19:00
なし
7日間診療
「初診枠の制限」を行っていない
当日初診可
希望者には初診で30分程度確保
渋谷こころのクリニック 代々木八幡駅 徒歩5分
代々木公園駅 徒歩4分
10:00〜14:00/15:00〜19:00
土日午後は18:00まで
祝日のみ 24時間WEB受付
初診・再診とも対応
青山渋谷メディカルクリニック 渋谷駅 宮益坂下から1分 火木金10:00〜20:00
月水土10:00〜18:00
日・祝 予約制
渋谷メンタルクリニック 渋谷駅A2出口 徒歩4分
神泉駅 徒歩7分
土曜午後は14:00〜17:00
(平日の時間帯は画像掲載のため未確認)
水・木・日 完全予約制
初診はネット予約のみ
空きがあれば当日可
その日の予約が終わり次第終了

初診枠の制限を行っていないと書いている院がある

5院のうち3院が当日の初診に対応しています。

特に渋谷ウェルネストクリニック心療内科は、公式サイトで「初診枠の制限」を行っていないと明記しています。予約で混んでいる場合や当日でも初診を受けられる一方、希望する方には保険診療で初めにしっかり話を聞く時間を30分程度確保する、という運用です。「すぐ診てくれる」と「しっかり話を聞いてくれる」の両立を掲げています。

渋谷駅前メンタルクリニックは当日初診予約が可能で、24時間WEB予約とLINE予約に対応。土日祝も診療しており、休診は平日の祝日のみです。

渋谷メンタルクリニックは完全予約制で、初診はネット予約のみ受け付けています。空きがあれば当日受診が可能ですが、その日の予約が終わり次第終了となる運用です。再診の電話予約は15時30分までと決まっています。

近隣でも事情は同じです。新宿では4院すべてが当日または夜間の受診に対応し、夜21時以降に初診を受けられる院があります

水曜・木曜に受診したいなら候補が絞られる

渋谷ウェルネストクリニックは休診日なし、渋谷こころのクリニックは祝日のみ、渋谷駅前メンタルクリニックは平日の祝日のみ。一方、渋谷メンタルクリニックは水・木・日が休診、青山渋谷メディカルクリニックは日・祝が休診です。

水曜や木曜に受診したい場合は、渋谷メンタルクリニック以外を選ぶことになります。

いびき・日中の眠気があるときに渋谷で行ける院

ここまでは寝つきの悪さを前提に書いてきました。ただし睡眠障害という言葉は、複数の別の病気をまとめて指しています。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が塞がって呼吸が止まる病気です。原因が体の構造にあるため、眠っている間の呼吸や酸素の状態を測る検査が診断に必要になります。在宅でできる簡易検査と、より詳しく調べるポリソムノグラフィー(PSG)があります。治療は気道に空気を送り込むCPAPが中心です。

一方の不眠症は、寝つけない、途中で目が覚める、朝早く目が覚める、眠った気がしないといった症状で、検査で数値が出る病気ではありません。生活習慣、ストレス、うつ病や不安障害などの精神疾患、内科の病気、服用中の薬など原因が幅広いため、問診で原因を絞り込む過程が診療の中心になります。

5院でSASを扱っているのは渋谷駅前メンタルクリニック

家族からいびきや呼吸が止まっていることを指摘されたことがある、夜は寝ているつもりなのに日中に強い眠気がある。こうした場合は、検査体制のある施設が適しています。渋谷の5院のうち睡眠時無呼吸症候群を明示的に扱っているのは渋谷駅前メンタルクリニックです。

寝つきの悪さだけなら説明の合う院を選べる

いびきの指摘がなく、寝つきの悪さや中途覚醒が主な悩みであれば、5院すべてが候補になります。渋谷は初診が取りやすい地域なので、公式サイトの説明を読んで、自分に合いそうな考え方の院を選ぶ余地があります。

薬をできるだけ避けたいなら、CBT-Iを治療法として立てている渋谷こころのクリニック。生活習慣から整えたいなら、環境づくりを具体的に書いている渋谷メンタルクリニック。身体の不調も同時にあるなら、内科系の専門医が在籍する渋谷ウェルネストクリニック。じっくり話を聞いてほしいなら、初診で30分程度を確保する同院の運用が合います。

東京都の専門医療機関18機関に渋谷の5院は入っていない

「不眠症 渋谷 名医」という探し方をする場合、日本睡眠学会の認定が判断材料になります。ただし渋谷では、この基準はあまり役に立ちません。

東京都は18機関で全国最多だが内訳は大学病院と呼吸器内科系

日本睡眠学会は、専門医・歯科専門医・専門検査技師・専門医療機関・登録医療機関といった認定制度を設けており、それぞれの一覧を公開しています。

専門医療機関の一覧(2020年5月28日現在)に掲載されているのは全国105機関で、東京都からは18機関。愛知県の10機関、福岡県の7機関を上回り、都道府県別で最多です。ただし内訳は大学病院と呼吸器内科系が中心で、この記事で取り上げた5院はいずれも掲載されていません。

なお一覧には所在地が都道府県までしか記載されていないため、渋谷区内に掲載機関があるかどうかは、この資料からは判断できません。

大学病院は紹介状が前提になる

掲載機関の中心を占める大学病院は、原則として紹介状が必要です。紹介状なしの場合は初診料のほかに選定療養費がかかります。

初診の取りやすさは地域差が大きく、京都では6院中3院で初診の受付に制限がかかっており、予約の窓口が週3日の午前中だけという院もありました。渋谷はこの点で恵まれています。

寝つきの悪さで初めて受診するという段階では、まず通いやすいクリニックで相談を始めるのが現実的です。渋谷は初診の枠が取りやすく、認定の有無を条件に探さなくても選択肢が確保できる地域といえます。

渋谷に通えないときのオンライン診療と市販薬

渋谷駅前メンタルクリニックのオンライン診療は再診のみ

通院そのものが負担になっている、転居や出張で通えなくなったという場合、オンライン診療という選択肢があります。不眠症・睡眠障害を診療科目に掲げているオンラインクリニックが複数あり、スマートフォンでの診察と薬の配送で完結します。

渋谷では渋谷駅前メンタルクリニックがオンライン診療を実施していますが、再診の方が対象です。初回は来院が必要になります。

ただし、オンラインの初診では処方できない睡眠薬があります。マイスリーやデパスなどの向精神薬は、その院で対面診察を受けていない限り処方されません。不眠症のオンライン診療15院を比較して初診で出せる薬と出せない薬を調べた記事で、院ごとの違いを確認できます。

また、いびきや無呼吸が疑われる場合は検査が必要になるため、オンラインだけでは完結しません。

市販のロゼレムSは一時的な寝つきの悪さに限られる

2026年7月28日、アリナミン製薬からロゼレムSが発売されました。医療用医薬品と同じ成分であるラメルテオンを8mg配合した市販薬で、市販薬としては初めての成分です。価格は7錠1,650円、14錠3,080円(いずれも税込・メーカー希望小売価格)。

青山渋谷メディカルクリニックが睡眠相後退症候群の治療薬として挙げていたラメルテオンと同じ成分ですが、市販薬には条件があります。

  • 効能は「一時的な不眠の寝つきが悪い」のみ。慢性的な不眠症には適応がない
  • 要指導医薬品のため、薬剤師の説明を受けて対面で購入する必要がある。インターネットでは購入できない
  • 店頭では陳列されておらず、薬剤師のいる時間帯でないと購入できない
  • 15歳未満は服用できない

数日眠れない日が続いている程度であれば市販薬で対応できる場面もありますが、渋谷こころのクリニックが定義するように3か月以上続く不眠は、市販薬の守備範囲を超えています。市販薬を試して改善しない場合は、医療機関の受診に切り替えてください。

たとえばDMMオンラインクリニックでは、デエビゴやベルソムラなどのオレキシン受容体拮抗薬や、ラメルテオン(ロゼレムのジェネリック)を自由診療で処方していて、ラメルテオンは1か月分 税込4,400円です(診察料0円、配送料550円)。保険で処方を受けるより高くなります。なお、18歳未満・75歳以上の方と、精神科・心療内科を受診中の方は処方の対象外です。

自分に合う説明をしている院を選ぶ

渋谷は初診が取りやすい地域です。すぐに診てもらえることを前提に、どの考え方の院に通うかを選べます。

  • 眠れないのはなぜかを理屈から知りたいなら渋谷メンタルクリニック。メラトニンとセロトニンの関係、入浴から2時間という時間まで書いている。ただし水・木・日が休診
  • 薬をできるだけ使いたくないなら渋谷こころのクリニック。CBT-Iを治療法の3本柱のひとつに立てている。休診は祝日のみ
  • 眠れないこと自体が不安になっているなら青山渋谷メディカルクリニック。「不眠を怖がり過ぎないことも必要」「持っているだけで安心して眠れる人もいます」と書いている
  • 身体の不調も同時にあるなら渋谷ウェルネストクリニック。総合内科・循環器・産婦人科の専門医が在籍。初診枠の制限を行わず、休診日もない
  • いびきや無呼吸を指摘されているなら渋谷駅前メンタルクリニック。5院で唯一SASを扱う。ただし18歳未満は基本的に受診できない
  • じっくり話を聞いてほしいなら、希望者に初診で30分程度を確保する渋谷ウェルネストクリニック
  • 水曜・木曜に受診したい場合、渋谷メンタルクリニックは休診
  • 学会認定は基準にしない。東京都の18機関は全国最多だが大学病院と呼吸器内科系が中心で、渋谷の5院は含まれない

本記事に掲載した診療時間・診療内容は2026年9月2日時点で各院の公式サイトを確認したものです。変更されている場合があるため、受診前に必ず各院にご確認ください。

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