メトホルミンの副作用と効果 ダイエットで痩せる量と、食事を抜くと危ない理由

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監修者

松岡雄治 医師の顔写真

松岡 雄治/済生会横浜市東部病院 麻酔科

総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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メトホルミンは、60年以上使われてきた2型糖尿病の飲み薬です。最近は「痩せる」「若返る」といった話とともに、メディカルダイエットの薬としても知られるようになりました。安く手に入ることもあって気軽に試されがちですが、副作用や効果の中身は、マンジャロやリベルサスのようなGLP-1の薬とはまったく違います。

この記事では、メトグルコ(メトホルミンの先発品)の電子添文(2023年11月改訂・第5版)、ビグアナイド薬の適正使用に関する委員会のRecommendation、海外の大規模な臨床試験の数字をもとに、メトホルミンの副作用と効果を整理します。特に、ダイエットで使われる量で、試験と同じように痩せるのかと、ダイエットの仕方によっては使えない状態になるという、ほかではあまり語られない点に光を当てます。

数字は、電子添文、学会の委員会の資料、厚生労働省の情報などで、2026年10月24日に確認したものです。

目次

メトホルミンの副作用と効果を、先に結論から

細かい数字に入る前に、この記事の答えを3つにまとめます。どれも、後の章で根拠を示します。

いちばん多い副作用は下痢で、電子添文では40.5%

電子添文の副作用の表で、いちばん高い頻度で載っているのが下痢の40.5%です。悪心(吐き気)15.4%、食欲不振11.8%、腹痛11.5%と続きます。メトホルミンの副作用は、まず「お腹がゆるくなる」と考えておいてください。

痩せる効果は小さく、大規模な試験で約3年に2.1kg

米国で3,000人以上が参加した試験では、メトホルミンを1日1,700mg飲んだ人の体重の減り方は、平均約3年で2.1kgでした。偽薬は0.1kgです。一方、ダイエット外来で出されるのは1日500〜750mgのことが多く、試験で使われた量の半分以下です。

食事を抜く・お酒を飲みすぎるダイエットと組み合わせると、禁忌の状態に近づく

電子添文は、脱水の人、お酒を飲みすぎる人、栄養不良や飢餓状態の人には使ってはいけない(禁忌)としています。まれでも命に関わる「乳酸アシドーシス」という副作用が起きやすくなるからです。食事を極端に抜くダイエットと一緒に飲むのは、薬の決まりとぶつかる使い方になります。

メトホルミンの副作用はどれくらい出る?下痢・吐き気・食欲不振

メトホルミンの副作用を調べると、下痢から乳酸アシドーシスまで、軽いものと重いものが一緒に並んでいて分かりにくくなっています。まずは、多くの人に出る胃腸の症状から見ていきます。

電子添文の頻度は、下痢40.5%、悪心15.4%、食欲不振11.8%、腹痛11.5%

電子添文の「その他の副作用」で、5%以上とされているのは次のものです。

症状 電子添文の頻度
下痢 40.5%
悪心(吐き気) 15.4%
食欲不振 11.8%
腹痛 11.5%
嘔吐 5%以上(数値の記載なし)

1〜5%未満には、消化不良、お腹の張り、便秘、胃炎、めまい・ふらつきなどが並びます。電子添文に載っている国内の試験は、糖尿病の治療で1日750mgから2,250mgまで使ったものです。下痢が4割というのは、マンジャロやリベルサスの胃腸の症状より、はっきり多い数字です。

大規模な試験では、胃腸の症状が偽薬の約2.5倍

偽薬と比べたデータもあります。米国の糖尿病予防プログラム(DPP)という試験では、糖尿病の手前の人3,234人を、メトホルミン、偽薬、生活習慣の改善の3つに分け、平均2.8年追いました。胃腸の症状は、メトホルミンで100人あたり年77.8件、偽薬で30.7件でした。偽薬でも胃腸の不調は起きますが、メトホルミンではその約2.5倍になります。

電子添文の数字とあわせると、メトホルミンを飲んでお腹がゆるくなるのは「たまたま」ではなく、薬の性質として起こりやすいことだと分かります。

頭痛・めまい・だるさ・抜け毛は、添付文書でどう扱われているか

電子添文では、めまい・ふらつきが1〜5%未満、頭痛・倦怠感・むくみ・味覚の異常が1%未満の副作用です。「メトホルミン 副作用 抜け毛」も検索されていますが、脱毛は電子添文の副作用の表に載っていません。

ただし、だるさや筋肉の痛みが急に強くなったときは、次の章の乳酸アシドーシスの初期症状のこともあります。いつもの体調不良と違うと感じたら、自己判断せずに処方を受けた医師に相談してください。

低血糖は単独では起きにくいが、ほかの薬と一緒だと注意

メトホルミンは、膵臓からインスリンを出させずに血糖を下げる薬で、単独では低血糖を起こしにくいとされます。ただし電子添文は低血糖を重大な副作用に挙げていて、ほかの糖尿病の薬と一緒に使うときは注意が必要です。糖尿病の治療中の人が、自分の判断で自費のメトホルミンを足すのは避けてください。

メトホルミンの副作用はいつまで?下痢が続くときの対処

下痢がこれだけ多い薬だと、次に気になるのは「いつまで続くのか」と「我慢して飲み続けてよいのか」です。ここには、ダイエットで使う人ほど知っておきたい落とし穴があります。

少ない量から始めて増やすのは、胃腸の症状を抑えるため

電子添文の飲み方は、1日500mgから始め、2〜3回に分けて飲み、ふだんの量は1日750〜1,500mg、上限は2,250mgです。国内の試験では、最初の1週間を1回250mgの1日2回から始めていました。少ない量から体を慣らしていくのは、下痢や吐き気を出にくくするためです。

なお、下痢が何日・何週間続くかを示した数字は、公表されている資料には見当たりませんでした。続く場合は、量を減らす、飲むタイミングを変えるといった調整を、処方を受けた医師と相談することになります。

下痢や吐き気が続くと脱水になり、乳酸アシドーシスの引き金になる

メトホルミンの下痢で本当に注意したいのは、つらさよりも脱水です。電子添文は、脱水の人や、下痢・嘔吐などで脱水になるおそれがある人を禁忌にしていて、脱水になったら飲むのをやめるよう求めています。委員会のRecommendationも、体調を崩した日(シックデイ)はいったん飲むのをやめて主治医に相談すること、ふだんから水分を適度にとることを挙げています。

つまり、「下痢が続くけれど痩せそうだから飲み続ける」は、いちばん避けたい使い方です。下痢や嘔吐が続く、食事がとれない、という日は飲まずに、医師に相談してください。

飲むタイミング(食直前か食後か)と、飲み忘れたとき、メトグルコとの違い

電子添文で定められている飲み方は、1日量を2〜3回に分けて、食直前か食後に飲むものです。2010年にメトグルコが出る前の製剤は食後の服用だけでしたが、メトグルコからは食直前も選べるようになりました。食事をとらないときに飲んでよいかは、自己判断せず処方する医師に確認してください。食事がとれない日は、前の項目のとおり飲まないのが基本です。

飲み忘れた時には2回分をまとめて飲むなどせず、次の食事のタイミングで1回分を飲むようにしてください。

「メトグルコとメトホルミンの違い」も多く検索されています。メトグルコは1日2,250mgまで使える製剤で、それ以前からある製剤は1日750mgまででした。後発品の名前に「MT」とつくものはメトグルコと同じ使い方、「GL」とつくものは従来の製剤の後発品です。成分はどちらも同じメトホルミンです。

まれでも重い乳酸アシドーシス 起こりやすい人と場面

メトホルミンの副作用で、いちばん重いのが乳酸アシドーシスです。頻度は不明とされるほどまれですが、電子添文は冒頭の「警告」で、死亡に至った例もあると書いています。どんな人が、どんな場面で起こしやすいのかを知っておけば、ほとんどは避けられます。

乳酸アシドーシスの症状は、胃腸の不調・だるさ・筋肉痛・息が荒くなる

乳酸アシドーシスは、血液の中に乳酸がたまり、体が酸性に傾いてしまう状態です。電子添文が挙げる症状は、胃腸の症状、だるさ(倦怠感)、筋肉の痛み、呼吸が深く速くなることなどです。予後が悪いことが多いとされ、症状が出たらすぐに受診する必要があります。

やっかいなのは、初期の症状が「お腹の不調」「だるさ」と、ふだんの副作用や一般的な風邪・胃腸炎と見分けにくいことです。強いだるさや息苦しさ、激しい胃腸症状が出て病院を受診するときには、見落としを防ぐためにも、必ず「メトホルミンを飲んでいる」と伝えてください。その上で、次に挙げる「起こりやすい場面」を避けることが大切になります。

腎機能はeGFR30未満で禁忌、30〜60は量を減らす

メトホルミンは腎臓から体の外に出る薬なので、腎臓の働きが落ちると体にたまり、乳酸アシドーシスが起きやすくなります。「メトホルミン 腎機能」が検索されているのは、このためです。腎臓の働きを示すeGFRで、使い方が決められています。

eGFR(mL/分/1.73m²) 使い方
60以上 通常の量(1日2,250mgまで)
45以上60未満 1日1,500mgまで
30以上45未満 1日750mgまで(慎重に使う)
30未満・透析中 禁忌(使えない)

eGFRは、健康診断の血液検査のクレアチニンの値から計算されます。ダイエット目的でメトホルミンを始める前に、自分の腎臓の数値を知っておくことは、ほかのどの準備より大事です。75歳以上の人は、特に慎重な判断が必要とされています。

食事を抜く・飢餓状態・脱水・過度の飲酒は禁忌

電子添文の禁忌には、腎臓や肝臓の重い病気のほかに、次のものが並んでいます。

  • 脱水の人、下痢や嘔吐などで脱水になるおそれがある人
  • お酒を飲みすぎる人(過度のアルコール摂取)
  • 栄養不良の状態、飢餓状態の人
  • 重い感染症、手術の前後、重いけがといった状態にある人

委員会のRecommendationも、食事が口からとれない人には使わないことを大前提にしています。朝も昼も抜く、数日ほとんど食べない、といった極端な食事制限は、メトホルミンを使ってはいけない状態に自分から近づく行為です。メトホルミンでダイエットをするなら、食事は減らしても抜かない、水分はしっかりとる、が最低限の条件になります。

「メトホルミン お酒」「メトホルミン アルコール どのくらい」もよく検索されています。Recommendationは、飲酒は適量にとどめ、肝臓の病気などがある人は禁酒するよう指導することを求めています。飲み会で大量に飲む日がある人は、その日の飲み方を処方する医師と相談しておいてください。

また、利尿薬やSGLT2阻害薬(フォシーガ、ルセフィなど)と一緒に使うときは、特に脱水に注意するよう書かれています。メディカルダイエットでSGLT2阻害薬と組み合わせて処方されることもあるので、両方を飲む人は水分を意識してとってください。

造影剤の検査と手術の前は休薬、造影剤のあと48時間は再開しない

CTなどでヨード造影剤を使う検査を受けるときは、緊急の場合を除いて、検査の前にメトホルミンを止め、造影剤を使ったあと48時間は再開しないことになっています。造影剤で腎臓の働きが一時的に落ちることがあるためです。手術の前後も、食事が制限されない小さな手術を除いて禁忌です。「メトホルミン 術前休薬」「メトホルミン 造影剤 休薬」と検索される理由はここにあります。

ダイエット目的で自費で飲んでいると、検査や手術を受ける病院の医師に伝え忘れがちです。CTなどで造影剤を使う検査を受けるときや、手術を受けるときは、メトホルミンを飲んでいると必ず伝えてください。人間ドックで造影剤を使う検査を選ぶ場合も同じです。

メトホルミンの効果 ダイエットで何キロ痩せる?

副作用の注意点が分かったところで、いちばん気になる「どれだけ痩せるのか」です。ここで、試験で使われた量と、ダイエット外来の量を並べてみます。

大規模な試験(DPP)では、1日1,700mgを約3年で2.1kg、偽薬は0.1kg

メトホルミンの体重への効果を示すデータとして、いちばんよく引用されるのが前の章のDPP試験です。

DPP試験(平均2.8年) メトホルミン 偽薬 生活習慣の改善
使った量・内容 1回850mgを1日2回(1日1,700mg) 偽薬 食事と運動の集中的な指導
体重の減り方(平均) 2.1kg 0.1kg 5.6kg
糖尿病になる人の減り方(偽薬と比べて) 31%少ない ― 58%少ない

メトホルミンで減った2.1kgは、偽薬よりはっきり多いものの、約3年かけての数字です。同じ試験で、薬を使わない生活習慣の改善のほうが、体重は2倍以上減っていました。メトホルミンは「飲めば痩せる薬」ではなく、体重を少し減らし、糖尿病になりにくくする薬という位置づけです。

ダイエット外来の量は1日500〜750mgで、試験の半分以下

ダイエット目的のオンライン診療では、250mgの錠剤を1日2〜3錠(1日500〜750mg)で出すところがあります。DPP試験の1日1,700mgと比べると、半分以下の量です。

量が少ないぶん、下痢などの副作用は出にくくなると考えられますが、体重の減り方も試験より小さくなると見ておくのが自然です。「メトホルミン 痩せない」「メトホルミン 効果 ない」という声が多いのは、もともとの効果の小ささに、量の少なさが重なっているためと考えられます。「効果はいつから出るのか」という問いにも、数週間で目に見えて痩せる薬ではない、と答えるのが正直なところです。

痩せる仕組みは、肝臓で糖が作られるのを抑えること

電子添文の作用機序によると、メトホルミンは主に肝臓で糖が作られる働き(糖新生)を抑え、インスリンを出させることなく血糖を下げる薬です。マンジャロやリベルサスのように、脳に働いて食欲を強く抑える薬ではありません。

「メトホルミン 食欲抑制」と検索されることもありますが、電子添文で食欲不振は副作用(11.8%)として載っているもので、食欲を抑える効果としてではありません。お腹の不調で食べる量が減って痩せた、というのは、副作用の結果ということになります。

マンジャロ・リベルサスと比べると

3つの薬の体重のデータを並べると、違いがよく分かります。試験の対象者や期間が違うので目安ですが、体重の減り方の大きさの順番ははっきりしています。

薬 試験 体重の変化
マンジャロ10mg 日本人の肥満症の人、72週 −17.8%(約16.5kg)
マンジャロ5mg 日本人の2型糖尿病の人、52週 −5.8kg
リベルサス14mg 日本人の2型糖尿病の人、52週 −2.9kg
メトホルミン1日1,700mg 米国の糖尿病の手前の人、平均2.8年 −2.1kg

メトホルミンの強みは、体重ではなく、値段の安さと、長年使われてきた実績です。体重をしっかり落としたい人にとっての主役の薬ではない、というのがデータから見える位置づけです。マンジャロとリベルサスの副作用と効果は、マンジャロの記事とリベルサスの記事で、同じ形で整理しています。

メトホルミンで若返る?アンチエイジングの噂

「メトホルミン 若返り」は月2,500回も検索されています。長寿の薬として話題になることもありますが、分かっていることと分かっていないことを分けて見てみましょう。

若返り・老化防止は、承認された適応症に入っていない

日本の電子添文で承認されている適応症は、2型糖尿病と、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)での排卵誘発などだけです。若返りや老化防止は入っていません。米国でも、承認されているのは2型糖尿病の治療だけです。

長寿との関係が言われる理由と、まだ分かっていないこと

メトホルミンが長寿の薬として注目されるのは、糖尿病の人を観察した研究で、がんや認知症、心臓の病気が少ない傾向が見られたためです。ただし、これらの多くは観察研究で、メトホルミンが原因でそうなったとは証明されていません。糖尿病の人で見られたことが、健康な人にも当てはまるかも分かっていません。

人で老化を遅らせるかを確かめるために、米国の研究者が65〜79歳の約3,000人を6年間追うTAME試験を計画していますが、研究を支援する米国の団体のページでは、まだ始まっていないとされています。「メトホルミンで若返る」は、2026年10月時点では、人で確かめられていない仮説です。若返りを目的に飲むなら、前の章までの副作用や禁忌を引き受けるだけの根拠は、まだないことになります。

メトホルミンは市販で買える?通販・個人輸入の危険

「メトホルミン 市販」の検索結果には、海外から取り寄せる通販サイトがずらりと並びます。安く手に入りそうに見えますが、その前に知っておいてほしいことがあります。

日本では医師の処方が必要な薬で、ドラッグストアでは買えない

メトグルコは「劇薬」で、かつ「処方箋医薬品」に分類されています。医師の処方箋がなければ使えない薬で、ドラッグストアで買える市販薬(OTC医薬品)はありません。「メトホルミン ドラッグストア」「メトホルミン 市販薬」と探しても、日本の店頭では手に入りません。

通販サイトの多くは個人輸入で、偽造品の心配があり、救済制度の対象外

処方なしで買える通販サイトの多くは、海外の薬を個人で輸入する形をとる「個人輸入代行」です。厚生労働省は、個人輸入した医薬品には、正規のメーカー品を装った偽造品や、不衛生な場所で作られた製品の可能性があると注意を呼びかけています。

さらに、厚生労働省は、個人輸入した医薬品で重い健康被害が出ても、医薬品副作用被害救済制度の対象にならないとしています。乳酸アシドーシスのような重い副作用がありうる薬を、腎臓の検査もせず、医師の確認もなく飲むのは、二重の意味で危ない使い方です。

医師コメント

海外からの個人輸入では、成分が正しく配合されていない偽造品のリスクや、健康被害のおそれ、その被害について救済制度が受けられない問題があります。

メトホルミンでは、過去に基準値を超える発がん性物質が検出されて自主回収されたことがあります(シートの印字成分と薬剤成分の反応によるものと考えられると発表されています)。こちらは日本製のものでしたが、管理体制が不透明な海外製の薬剤では、よりリスクが高いと考えられます。

ぜひ安全に十分配慮して、健やかな毎日を過ごすための選択をしましょう。

処方してもらうには(保険診療と自由診療)

2型糖尿病の治療としてなら、内科や糖尿病内科で保険が使えます。ダイエット目的の場合は保険が使えない自由診療になり、美容クリニックやダイエット外来、オンライン診療で処方を受けることになります。自由診療でも、医師の診察を受けて処方してもらえば、少なくとも本物の薬が手に入り、腎機能などの確認を相談できます。

メトホルミンを使えない人と、長く飲むときの注意

最後に、受ける前に確かめておきたいことをまとめます。

妊娠中は禁忌(多嚢胞性卵巣症候群の排卵誘発では使われる)

電子添文では、妊娠中・妊娠している可能性がある女性は禁忌です。一方で、2022年からは、肥満や耐糖能異常、インスリン抵抗性がある多嚢胞性卵巣症候群の人の排卵誘発や生殖補助医療にも使えるようになりました。この場合は、ほかの排卵誘発の薬と一緒に使い、排卵や採卵の前に止める決まりです。

妊娠を目的に医師の管理のもとで使う場合と、ダイエットのために自己判断で飲み続ける場合とは、まったく別の話です。妊娠を考えている人、妊娠の可能性がある人は、ダイエット目的で飲み始める前に必ず医師に伝えてください。

長く飲むと、ビタミンB12が下がることがある

電子添文には、長く使うとビタミンB12の吸収が悪くなることがある、と書かれています。ビタミンB12が足りなくなると、貧血や手足のしびれにつながることがあります。「メトホルミン ビタミンB12」が検索されているのは、このためです。年単位で飲み続けるなら、定期的に血液検査を受けられる医療機関で処方を受けるのが安心です。

ダイエット目的は適応外で、救済制度の対象外

メトホルミンのダイエット目的の使用は、電子添文で承認された適応疾患の外(適応外)です。PMDA(医薬品医療機器総合機構)は、医薬品副作用被害救済制度の対象になる「適正な使用」を、原則として添付文書で承認された対象疾患(適応症)や用法・用量に従った使い方としています。そのため、ダイエット目的で使って重い副作用が出た場合は、救済の対象外になると考えておくべきです。

オンライン診療でメトホルミンを受ける方法もあり、DMMオンラインクリニックでも250mg錠を処方しています。診察料は0円で、1日2錠なら1か月1,980円、1日3錠なら1か月2,750円です(毎月届く定期便にすると少し下がります)。配送料は550円かかります。

参照した情報と確認日

この記事の数字は、すべて下の一次情報で確認したものです。試験の結果は、試験に参加した人の平均であり、一人ひとりの結果を約束するものではありません。

参照した情報

確認日と、この記事の数字の読み方

情報はすべて2026年10月24日に確認しました。電子添文の副作用の頻度は、糖尿病の治療で使った国内の試験にもとづくものです。DPP試験は米国の試験で、対象は糖尿病ではなく、その手前の人でした。マンジャロ・リベルサスとの比較の表は、対象者も期間も違う試験を並べたもので、目安として見てください。

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