多汗症のボトックス注射には、いくつも「条件」がついています。保険が使えるのは重度の脇だけ。手のひらや顔は保険適用外。さらに保険診療で使う製剤は流通が厳格に管理されているため、初診日に打つことができません。
費用も一様ではありません。編集部が調べたところ、同じ製剤でも保険診療なら両脇でおよそ18,000〜22,000円、自費診療なら片脇50単位で55,000円という開きがありました。さらに韓国製の別製剤なら両脇100単位28,000円という設定もあります。
この記事では、日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」(PDF)と製造販売元の公開情報をもとに、誰が保険で受けられるのか、いくらかかるのか、いつ打てるのかを整理します。
先に結論|4つの条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 部位 | 保険適用は重度の原発性腋窩多汗症のみ。手掌・足底・顔面は適用外で、ガイドラインの推奨度もC1 |
| 重症度 | 原発性局所多汗症の診断基準(6項目中2項目以上)を満たし、さらにHDSSが3または4であること |
| 年齢 | 保険診療の対象は成人。15歳未満は保険では治療できない |
| 時間 | 保険診療の製剤は流通管理対象のため、初診日には打てない。発注に通常1週間以上かかる |
最後の「時間」は見落とされがちですが、実務上もっとも影響します。夏に間に合わせたい人は逆算が必要です。
ボトックス注射で汗が止まる仕組み
汗は、交感神経の末端から放出されるアセチルコリンという神経伝達物質が汗腺に指令を伝えることで分泌されます。A型ボツリヌス毒素(BT-A)は、グラム陽性菌のクロストリジウム・ボツリナムが産生する神経毒素で、コリン作動性神経の接合膜からのアセチルコリン放出を抑制する作用を持ちます。
ボツリヌス毒素にはA型からG型までの7種がありますが、このうちA型は精製度が高く、効力や作用時間がもっとも優れています。もともと眼瞼痙攣や斜視の治療に使われてきた薬剤で、1996年にBusharaらが腋窩多汗症への有効性を初めて報告し、その後は手掌にも応用されるようになりました。
外用薬(エクロックゲル、ラピフォートワイプ、アポハイドローション)も同じアセチルコリンの働きを止める薬ですが、こちらは汗腺側の受容体でブロックする抗コリン薬です。ボトックスは神経側で放出そのものを止めるという違いがあります。効果が数か月持続するのは、この作用点の違いによります。
保険が使えるのは「重度の腋窩多汗症」だけ
ボトックス注射に対するガイドラインの推奨度は、部位によって大きく違います。
| 部位 | 推奨度 | 保険 | ガイドラインの評価 |
|---|---|---|---|
| 腋窩 | B | ○(重度のみ) | 海外を含め本邦でも大規模な比較試験が行われ、その有用性が示されている |
| 手掌 | C1 | × | 発汗量を減少させ有効だが、投与量や有効期間にばらつきがあり、重症度に合わせて投与量を考慮する必要がある |
| 足底 | C1 | × | 同上 |
| 頭部・顔面 | C1 | × | 報告例は少ないが、非ランダム化比較試験や症例対照研究が行われており、QOLの改善に有効 |
推奨度Bは「行うよう勧められる」、C1は「行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない」です。腋窩だけがBで、しかも保険が使えます。日本では2012年11月から重症型に対して保険診療の適用が認められました。
腋窩以外の症例については保険適用外であり、使用の際には医師が各自の責任のもと、患者に十分なインフォームド・コンセントを得た上で輸入したBT-Aの投与を行うこととなる、とガイドラインは記しています。
なぜ腋窩だけなのか
理由は承認の経緯にあります。ボトックスは1989年12月に米国で斜視および眼瞼痙攣を対象に承認されて以来、多くの国で適応が広がってきました。腋窩多汗症については1999年12月にコロンビアで承認を取得し、世界69か国で「腋窩多汗症」に対して片腋窩50単位という用量で承認が得られています。
日本での承認申請も、この腋窩に対する海外の臨床試験データをもとに行われました。手掌や顔面については同等の規模の試験が行われていないため、適応が下りていません。効かないと分かっているのではなく、承認の裏づけとなる試験がその部位で行われていないという構造です。この点は外用抗コリン薬と同じです。
保険適用の判定は2段階
「脇汗がひどい」というだけでは保険は使えません。判定は2段階で行われます。
第1段階|原発性局所多汗症の診断基準
製造販売元のGSKも医療関係者向けサイトで示している基準です。原因不明の過剰な局所性発汗が6か月以上持続していることに加え、以下の6項目のうち2項目以上を満たすことが条件になります。
| 項目 |
|---|
| 両側性かつ左右対称性に多汗がみられる |
| 多汗によって日常生活に支障が生じている |
| 週1回以上の頻度で多汗エピソードがみられる |
| 25歳未満で発症した |
| 家族歴がある |
| 睡眠時は局所性の発汗がみられない |
第2段階|HDSSが3または4
診断基準を満たしたうえで、さらに重症度の評価が必要です。HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)で3または4と判定されることが求められます。
| スコア | 状態 | 判定 |
|---|---|---|
| 1 | 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない | 軽症 |
| 2 | 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある | 中等症 |
| 3 | 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある | 重症(保険適用対象) |
| 4 | 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある | 重症(保険適用対象) |
参考までに、2013年の国内調査では原発性局所多汗症と回答した人のうち46.8%がHDSS3または4を訴えていました。半数近くが該当する計算になります。
実際にどう打つのか|Minor法と50単位の割り振り
治療の手順は、製造販売元が投与方法として公開しています。読者が知っておくと当日の流れが理解しやすくなるので、要点を紹介します。
まず汗の出ている場所を染めて特定する
Minor法(ヨードデンプン反応)を使います。ヨード液とデンプンが反応することで、発汗している部位が濃い紫色に染まるという方法です。
患者側には事前の準備が求められます。検査の1日前から制汗剤やデオドラント剤の使用を控え、剃毛を行っておくよう指示されます。制汗剤を使ったまま行くと、汗が出ている場所が正しく染まらないためです。
手順としては、ヨード液を塗布して乾燥させ、デンプンを振りかけて10分ほど放置します。発汗部位が紫色に染まったらマーカーで囲み、輪郭線だけを残してアルコールなどで拭き取ります。
50単位を10〜15か所に割り振る
投与量は片腋窩あたり50単位、両側合計で100単位です。100単位を4mL程度の生理食塩液で溶解して使います。
マーキングした範囲に1〜2cm間隔で注射部位の印をつけ(10〜15か所)、部位数に応じて50単位を割り振ります。注射針の先端の斜め部分を上に向けて45度の角度で刺入し、約2mmの深さに皮内注射を行います。皮下ではなく皮内、つまりごく浅い層です。
痛みへの配慮も示されています。30〜32G程度の細い針を使用することで軽減可能で、注射部位を氷などで冷却することでも痛みが軽くなる場合があるとされています。また、刺青と同様の機序による色素沈着を避けるため、注射針はマーキング部位からややずらして刺入します。
再投与は16週以上あける
電子添文の用法・用量には、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は16週以上とすることと定められています。約4か月です。効果が切れたからといってすぐには打てません。
効果はいつから、どのくらい続くか
効果は投与後2〜3日であらわれ始め、1週間後にほぼ最大効果に達します。持続期間には個人差がありますが、通常4〜9か月程度とされています。
ガイドラインが挙げる腋窩の臨床試験では、320例のうち242例にBotox 50単位、78例にプラセボを投与し、16週間の観察で有用性が認められました(エビデンスレベルII)。同じ試験でQOLを評価したところ、実薬群に著しい改善がみられています。
長期のデータも蓄積しています。約5年間BT-A局注を繰り返している腋窩多汗症患者75症例でQOLの改善が維持できていること、15年以上局注を繰り返している117症例において副作用なく約80%で有効期間が変わらないか延長していることが報告されています。
また、長期にわたって繰り返し投与することで生じうる耐性や中和抗体の産生は認められていないとされています。16週以上という投与間隔の規定は、この抗体産生を防ぐ意味も持っています。
手のひらは保険が使えず、しかも重症例には効きにくい
手掌多汗症へのBT-A局注は推奨度C1で保険適用外です。それだけでなく、効果に条件がつくことがガイドラインから読み取れます。
国内の報告を見ると、27例に対してBotox 60単位を片手に局注し6か月間の効果を比較検討したところ、発汗量が1分・1平方センチメートルあたり2ミリグラム前後の症例では6か月間有意に発汗量の低下が観察できた一方で、2ミリグラム以上かつHDSS3以上の重症例では十分な治療効果が認められていません(エビデンスレベルIII)。
別の報告では、そうした重症例に対して投与量を90単位に増量することで7か月間発汗量の低下が持続したとされ、重症度に合わせて投与量を考慮する必要があると考えられています。
つまり手汗がひどい人ほど、標準的な投与量では効きにくい可能性があるということです。しかも保険適用外なので、増量すればその分費用も上がります。ガイドラインが示す投与量の目安は、片手・片足あたりBotox 50〜100単位、Dysport 100〜200単位です。
手のひら特有の問題|痛みと筋力低下
BT-A療法の問題点として、ガイドラインは注射時の疼痛と手掌・足底の筋力低下を挙げています。
痛みのコントロールのため、注射前の局所麻酔薬の外用、アイスパックでの冷却、麻酔薬の静脈注射(Bier’s block)や末梢神経ブロックが行われています。近年は注射針を使わず炭酸ガスの圧を活用したノンニードルインジェクターシステムを用いる方法も報告されており、発汗抑制効果と薬剤投与時の疼痛緩和を両立できているとされています。
筋力低下については、投与量に比例するが、重症化することはなく一過性で経過観察のみで軽快することが多いとされています。ただし精密作業を行う職業の方は、あらかじめ医師に伝えておくべき事項です。
顔と頭部への注射
頭部・顔面多汗症へのBT-A局注は推奨度C1で、報告例は少ないもののQOLの改善に有効とされています。本邦では保険診療として認められていません。
国内の症例報告としては、前額の多汗で悩む更年期婦人3症例への局注で3例とも皺の改善と発汗量の低下が観察されたもの、25歳男性の顔面多汗症に対してBotox 2単位を前額部7か所に局注して発汗の低下とQOLの改善を認めたもの、頭部・前額部多汗症3症例にBotox Vistaを1か所あたり2単位ずつ計50か所・計100単位局注し30週まで発汗が減少したものなどがあります。
2007年にカナダ皮膚科学会が限局性多汗症の治療指針を作成し、頭部・顔面多汗症に対して最大100単位までのBT-A局注療法が推奨されました。
なお、耳下腺手術後の合併症であるFrey症候群(食事の際に耳の前が赤くなり多汗がみられる症候群)に対しても、BT-Aの局注療法は安全かつ有効な治療法であると記載されています。33例に局注したところ全例1週間以内に発汗量が低下し、その多くで12か月以上効果が持続しました。
費用|保険と自費で3倍前後の差
ここからは実際の金額です。保険診療と自費診療の両方を実施している医療機関の公表価格から、編集部が整理しました。
保険診療(3割負担)の場合
使用する製剤はGSK販売の「ボトックス注」(承認適応内)です。両脇合計100単位を使用した場合の目安は次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 初診(問診・診察) | 保険診療の通常診察料 |
| 施術日(両脇合計100単位) | 目安 約18,000〜22,000円 内訳:薬剤費(薬価57,446円×3割=約17,234円)+診察料・注射手技料 |
※初診/再診の区分、各種加算の有無により変動します。1割・2割負担の方は金額が変わります。
薬剤費が総額のほとんどを占めていることが分かります。1回で約2万円、効果が4〜9か月なので年1〜2回という計算になります。
自費診療の場合
保険適用の基準を満たさない場合や、16週未満で早期に再施術したい場合は自費になります。ある医療機関が2026年4月から開始した自費診療の価格を例に挙げます。
| 製剤 | 単位 | 価格(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|
| ボツラックス (韓国Hugel社製) |
両脇100単位 | 28,000円 ※キャンペーン価格 |
韓国で承認された製剤。日本国内では多汗症に対して適応外使用 |
| ボトックス注 (GSK販売・アラガン社製剤) |
片脇50単位 | 55,000円 | 日本で原発性腋窩多汗症の承認適応内。保険診療で使う製剤と同一 |
比較すると構造が見えてきます。同じアラガン社製剤でも、保険なら両脇100単位で約2万円、自費なら片脇50単位で5.5万円。単位あたりで換算すると5倍以上の開きがあります。
韓国製のボツラックスは安価ですが、日本国内では多汗症に対して適応外使用となります。ガイドラインが「保険適用外の症例については医師が各自の責任のもと、患者に十分なインフォームド・コンセントを得た上で輸入したBT-Aの投与を行うこととなる」と記しているのは、こうしたケースを指しています。価格差の理由が承認状況の違いにあることは理解しておくべきです。
なお、自費診療は保険診療との併用(混合診療)ができません。どちらか一方を選ぶことになります。
初診日には打てない|厳格な流通管理
費用と並んで、実務上もっとも影響するのがこれです。
保険診療で使用するGSK販売の「ボトックス注」は、承認時に条件が付された厳格な流通管理対象薬剤です。具体的には次の体制が求められます。
| 要件 |
|---|
| 講習・実技セミナーを修了した医師のみが施注可能(製造販売元主催の所定の研修受講が必須) |
| 施注ごとに事前に製造販売元へ患者登録(オンラインまたはFAX)を実施 |
| 登録完了後、国内指定卸業者から購入・準備(納品まで通常1週間以上を要する) |
| 使用後の残液・器具の失活と廃棄、その記録を保管し提出 |
製造販売元も、資格取得のための講習・実技セミナーとオンライン患者登録のページを設けており、この管理体制が制度として運用されていることが確認できます。
結果として、初診日に施術を受けることはできません。初診で診断基準とHDSSを確認し、薬剤を発注し、後日改めて施術という2回の受診が必要になります。
夏に間に合わせるなら逆算が必要
効果があらわれるまで2〜3日、最大効果まで1週間、持続は4〜9か月。ここに「初診から施術まで1週間以上」が加わります。
汗のピークである6〜9月を快適に過ごしたいなら、3〜4月の施術が推奨されています。逆算すると、初診はさらにその前です。結婚式や発表会など特定の予定に合わせる場合は、2週間から1か月前までに施術を済ませておくと安心とされています。
副作用|代償性発汗は手術とまったく違う
国内臨床試験(原発性腋窩多汗症患者144例)において、副作用が認められたのは3例(2.08%)と稀でした。
| 報告された副作用 | 頻度 |
|---|---|
| 発汗(首や背中など他部位の代償性発汗) | 2.08%(3例) |
| 四肢痛(腕の痛み) | 0.69%(1例) |
ここは重要な比較点です。交感神経遮断術(ETS)の代償性発汗は報告により9〜100%と一定せず、しかもいったん起きたら有効な治療法がありません。一方ボトックスの代償性発汗は2.08%であり、そもそも効果自体が4〜9か月で切れる可逆的な治療です。
同じ「代償性発汗」という言葉でも、手術とボトックスでは意味の重さがまったく違います。手術を検討する前にボトックスを試すべき理由のひとつがここにあります。
受けられない人
| 該当する場合はボトックスを受けられません |
|---|
| 全身性の筋力低下を起こす病気がある方(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など) |
| 妊娠中または妊娠の可能性がある方、授乳中の方 |
| 本剤の成分に対してアレルギーを起こしたことがある方 |
| 15歳未満の方(保険適用は15歳以上) |
治療の順序のなかでの位置づけ
ガイドラインの腋窩多汗症の診療アルゴリズムでは、ボトックスは第一選択の次に置かれています。
| 段階 | 治療 |
|---|---|
| 第一選択 | 外用抗コリン薬(エクロックゲル/ラピフォートワイプ)、塩化アルミニウム外用(いずれも推奨度B) |
| 第二選択 | BT-A局注 50〜100単位/腋窩(推奨度B) |
| その後 | 機器による治療(推奨度C1・保険適用外)、内服抗コリン薬、神経ブロック |
| 最終 | 交感神経遮断術(条件付き推奨度C1) |
毎日の外用が負担になる人、外用薬で効果が不十分だった人、副作用で継続が難しかった人にとって、年1〜2回の注射で4〜9か月をカバーできるのは大きな違いです。ガイドラインが治療のゴールを「発汗のコントロール」ではなく「生活の質の改善」に置いていることを踏まえると、毎日のケアから解放される点そのものに価値があります。
よくある質問
ワキガの臭いも軽減されますか
ボトックスはエクリン汗腺を標的にしているため、アポクリン汗腺由来のワキガそのものを治す薬ではありません。ただし発汗が抑えられることで脇の湿潤環境が改善し、皮膚常在菌の繁殖が抑えられることで、間接的に臭いが軽減したと感じる方もいます。効果の持続は発汗抑制と同じく4〜9か月です。
注射は痛いですか
皮内注射なのでまったく無痛ではありませんが、製造販売元は30〜32G程度の細い針の使用と、注射部位の冷却で痛みを軽減できるとしています。麻酔クリームを併用する医療機関もあります。手掌への注射は腋窩より痛みが強いとされ、局所麻酔薬の外用や神経ブロックが用いられることがあります。
Minor法の前に注意することはありますか
検査の1日前から制汗剤やデオドラント剤の使用を控え、剃毛を行っておくよう指示されます。制汗剤を使ったままでは発汗部位が正しく染まらず、注射する場所の特定が不正確になります。
効果が切れたらすぐ打てますか
打てません。電子添文で投与間隔は16週以上と定められています。約4か月です。これは抗体産生を防ぎ、効果が減弱しないようにするためのルールです。
手汗にも保険で打てませんか
打てません。保険適用は重度の原発性腋窩多汗症に限られます。手掌への投与は保険適用外で、ガイドラインの推奨度もC1です。加えて、発汗量が多くHDSS3以上の重症例では標準的な投与量で十分な効果が得られなかったという報告があります。手掌については、まず保険適用のあるアポハイドローション20%やイオントフォレーシスを試すのが順序です。
美容クリニックの安い脇ボトックスとの違いは何ですか
製剤が違う場合があります。日本で原発性腋窩多汗症の承認を持つのはGSK販売のボトックス注ですが、韓国製など他国で承認された製剤を用いる場合、日本国内では多汗症に対して適応外使用になります。作用機序は同じA型ボツリヌス毒素製剤ですが、製造元・承認状況・流通経路が異なります。価格差の理由がここにあることを理解したうえで、十分な説明を受けて選んでください。
参考にした一次資料
- 日本皮膚科学会ガイドライン 原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版(2023年12月一部改訂)/PDF(日皮会誌 133巻13号 3025-3056、2023年)
- ボトックス 原発性腋窩多汗症 診断・治療(GSK医療関係者向け情報)
- ボトックス 原発性腋窩多汗症 投与方法(GSK医療関係者向け情報)
- ボトックス 資格取得のための講習・実技セミナー(GSK)
- 患者向医薬品ガイド ボトックス注用50単位/100単位(GSK)/PDF
- 外用剤の登場で身近に「多汗症」治療を整理|ファーマスタイルWEB(2025年7月号) ※薬剤師向け専門誌
GSKの医療関係者向けサイトは、閲覧の際に医療関係者かどうかの確認画面が表示されます。費用は2026年8月時点で医療機関の公表価格を確認したもので、実際の請求額は初診/再診の区分や加算により変動します。保険診療の自己負担割合は年齢や所得によって異なります。治療の適否は個々の状態によって異なりますので、実際の判断は医療機関にご相談ください。

