生理を遅らせる・早める方法 よく処方されるプラノバールは「ずらす」目的では適応外だった

※この記事は広告を含みます。掲載している料金は各院の公式サイトで確認したものです。

旅行や試合、大事な日と生理が重なってしまった。生理を遅らせる方法、早める方法を調べると、多くの記事やクリニックが「中用量ピル」を紹介しています。

ところが、生理をずらすのに使われる薬の添付文書(国が承認した薬の説明書)をWeblioケア編集部で読み比べると、「月経周期の変更」が効能として認められているのは、よく使われる中用量ピルのプラノバールではなく、黄体ホルモン剤のノアルテンのほうだったことがわかりました。どちらを使うかで、副作用が起きたときの扱いも変わってきます。

この記事では、遅らせるか早めるかの選び方から、添付文書で見る2種類の薬の違い、具体的な飲み方、低用量ピルを飲んでいる人のずらし方、処方を受ける場所までを解説します。

目次

遅らせるか早めるかは、予定日までの日数で決まる

生理をずらす方向は「遅らせる」と「早める」の2つです。どちらでも同じと思われがちですが、飲み始める時期も、予定の最中に薬を飲むかどうかも大きく違います。

遅らせる・早めるの早見表

生理を遅らせる生理を早める
飲み始める時期次の生理予定日の5日前ごろまでずらしたい生理の、ひとつ前の生理の期間中
飲む期間生理を避けたい日が終わるまで一定期間飲み、生理を来させたい日の少し前にやめる
予定の最中に薬を飲むか飲み続ける飲まない
準備に必要な時間約1週間前でも間に合う約1か月前から準備が必要

※一般的な目安です。実際の飲み方は処方する医師の指示に従ってください。

直前でも間に合うのは「遅らせる」だけ

表から答えははっきりします。予定まで1か月を切っていて、次の生理が予定日に重なりそうなら、選べるのは遅らせる方法だけです。早めるには、ずらしたい生理のひとつ前の生理のうちに飲み始める必要があるからです。一方、準備の時間があるなら、早める方法には予定の当日を薬なしで過ごせるという利点があります。飲み始めは吐き気や頭痛が出ることがあり、旅行中にその心配がないのは大きな違いです。

生理をずらす薬は2種類 添付文書で比べる

生理をずらすのに使われる薬は、大きく分けて、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを合わせた中用量ピルと、黄体ホルモンだけの黄体ホルモン剤の2種類です。では、国が承認した添付文書には、それぞれ何が書かれているのでしょうか。

ノアルテン(黄体ホルモン剤)プラノバール(中用量ピル)
効能に「月経周期の変更」あり(短縮及び延長)なし
添付文書にある遅らせ方1日5mgを月経予定5日前から、延長したい日まで連続記載なし
血栓症の警告・禁忌記載なしあり

※各薬の添付文書(PMDA掲載)より。

「月経周期の変更」が効能にあるのは黄体ホルモン剤のノアルテン

黄体ホルモン剤のノアルテン(成分:ノルエチステロン)の添付文書には、効能のひとつとして「月経周期の変更(短縮及び延長)」がはっきり書かれています。用法も具体的で、遅らせる場合は「1日5mgを月経予定5日前から投与し始め、月経周期延長希望日まで連続投与する」、早める場合は「1日5mgを卵胞期に投与し、数日間連続投与する」とされています。

中用量ピルのプラノバールは適応外、救済制度の対象外になるおそれ

一方、生理をずらす薬としてよく紹介される中用量ピルのプラノバールの効能は、機能性子宮出血、月経困難症、月経周期異常(稀発月経、頻発月経)、過多月経、子宮内膜症などです。生理をずらす目的は効能に入っていません。医師の判断で広く使われている方法ではありますが、承認された使い方ではない「適応外」の使用です。適応外の使用で重い副作用が起きた場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象にならないことがあります。

血栓症の注意書きの違い

プラノバールの添付文書には、「年齢、喫煙、肥満、家族歴等のリスク因子の有無にかかわらず血栓症があらわれることがある」と書かれ、血栓性静脈炎や肺塞栓症になったことがある人には使えないとされています。ノアルテンの添付文書には、血栓症についての警告や禁忌は書かれておらず、重大な副作用として挙げられているのはアナフィラキシーです。

ただし、書かれていないことは、リスクがまったくないという意味ではありません。たばこを吸う人や血栓症が心配な人は、黄体ホルモン剤という選択肢があるかどうかも含めて、医師に相談してみてください。

生理を遅らせる方法

直前に気づいた人にとって、遅らせる方法は唯一の選択肢になることが多い方法です。

いつから、いつまで飲むか

ノアルテンの添付文書では月経予定5日前から、中用量ピルを使う場合も医療機関の多くが予定日の5〜7日前から飲み始めるよう案内しています。直前になってから飲み始めると、うまく遅らせられないことがあります。薬が手元に届くまでの日数も考えると、予定が決まった時点で早めに相談するのが確実です。

飲み始めたら、生理を避けたい日が終わるまで毎日飲み続けます。遅らせる期間が長くなるほど、途中で少量の出血が起きやすくなるので、どのくらい遅らせたいかは具体的な日付で医師に伝えましょう。

飲むのをやめてから生理が来るまで

予定が終わって薬をやめると、数日で生理が来るのが一般的です。つまり、生理が来るタイミングは「薬をやめた日」である程度コントロールできます。旅行の最終日の夜に飲むのをやめれば、帰宅して数日後に生理が来る計算です。

生理を早める方法

早める方法は、準備に時間がかかる代わりに、予定の当日を薬なしで過ごせる方法です。

前の生理のうちに飲み始める理由と、失敗しやすいケース

早める場合は、ずらしたい生理のひとつ前の生理の期間中に飲み始めます。生理が終わってしばらくすると次の排卵に向けて体の準備が進んでしまうので、早い段階からホルモンの薬で周期をコントロールし、薬をやめるタイミングで生理を起こす仕組みです。飲み始めが遅れた、飲む期間が短すぎた、飲み忘れがあったという場合は、思ったとおりに移動しないことがあります。条件を満たせそうにないなら、遅らせる方法を選ぶほうが確実です。

低用量ピルを飲んでいる人のずらし方

すでに低用量ピルを飲んでいる人は、新しい薬をもらわなくても、飲み方を変えることで生理をずらせる場合があります。

休薬期間を飛ばして次のシートへ

低用量ピルは、休薬期間や偽薬の期間に生理のような出血が起きる仕組みです。実薬を飲み終えたあと、休薬や偽薬をはさまずに次のシートの実薬に入れば、出血を後ろにずらせます。ただし、トリキュラーのように錠剤ごとに成分量が段階的に変わるタイプは、どの錠剤から続けるかで結果が変わるので、自分の判断で飲む順番を変えず、処方した医師に確認してください。

ヤーズフレックスは最長120日まで続けて飲める

月経困難症や子宮内膜症の痛みの治療に使われるヤーズフレックスの添付文書では、1日1錠を飲み続け、25日目以降に3日間続けて出血があった場合か、連続投与が120日に達した場合に4日間休薬する飲み方が定められています。生理痛の治療としてこの薬を使っている人は、結果として生理のような出血の回数を大きく減らせます。ただし、生理をずらすこと自体はこの薬の効能ではありません。

ピルで生理痛がどれくらい軽くなるかは、生理痛の薬を比べた記事で国内試験の数字を紹介しています。

市販薬・ピル以外でずらせるか、ずっと止められるか

ノアルテンもプラノバールも低用量ピルも、医師の処方が必要な薬です。ドラッグストアで処方箋なしに買える、生理をずらす薬はありません。食べ物や運動、ツボなどで生理の日を狙ってずらせるという、医学的な根拠のある方法も見当たりません。

生理を一生止め続ける薬もありませんが、先ほどのヤーズフレックスのような連続して飲むタイプのピルや、子宮の中で黄体ホルモンを少しずつ出す器具(ミレーナ)で、生理の回数や量を大きく減らす方法はあります。生理痛や生理の量が多いといった悩みがあるなら、婦人科で相談してみてください。

どこで処方してもらうか

生理をずらす薬は、健康保険が使えない自費の処方になります。

婦人科とオンライン診療

婦人科で対面の診察を受ければ、血圧などを測ったうえで処方してもらえるので、持病がある人や初めてホルモン剤を飲む人は安心です。どの薬を使うかも、その場で相談できます。予定日まで日数がなく、平日に受診する時間が取れない人には、オンライン診療も選択肢になります。

たとえばDMMオンラインクリニックは、生理日の移動に中用量ピルのプラノバールを処方しています。診察料はかからず、薬代は21錠6,200円、吐き気止めとのセットが6,800円で、配送料が550円です。平日15時30分までに受診すれば当日発送ですが、決済の時間によっては翌日の発送になります。先ほどのとおり、プラノバールを生理をずらす目的で使うのは適応外であることも踏まえ、届くまでの日数を含めて逆算しておきましょう。未成年の場合は、医療機関によって保護者の同意を求められることがあります。

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